概要産業応用工学会
産業応用工学会の概要
本会は、製品化を視野に入れた応用研究からプロトタイプの製作、製品開発までを領域とし、その領域における研究、開発を推進する学会で、2012年に設立されました。
世界の経済情勢に目を向けると、中国をはじめ諸外国が目覚しく発展しています。このような状況の中、日本産業が生き残り、発展するためには、日本製品でなければだめというようなオリジナリティ溢れる先進の製品を常に世界に向けて出し続ける必要があります。そのためには、企業と高等教育機関の連携が重要です。最近は産学連携が盛んに行われていますが、実際のところ、「興味がない、メリットがない」と考えている大学教員が全体の6割を占めています。大学と企業ではスピード感が大きく異なります。また、大学は論文偏重主義の傾向にあり、実用化、製品化は論文に付随する二次的価値でしかないという人もいます。日本産業の生き残り、さらには発展のためには、企業と高等教育機関が同じベクトルを向く必要があります。
本会は、製品化を視野に入れた応用研究からプロトタイプの製作、製品開発までを領域とし、その領域における新規性、有効性を評価する学会です。この領域の成果を論文として正当に評価することによって、高等教育機関側でも実用化に向けたプロトタイプの製作まで、研究範囲が拡がります。これにより企業と高等教育機関のギャップが縮まり、研究開発から製品設計製造までの一連の流れがスムーズにつながります。
以上の理由により、このような仕組みを作ることが日本の産業界の発展に非常に有益であると考え、本会を設立するに至りました。
会長挨拶
- 産業応用工学会会長 芹川 聖一
このたび、産業応用工学会会長を務める事になりました。
現在、さまざまな分野で学会が設立され、科学・技術の発展に大きく寄与しています。電気、機械、化学等のそれぞれの専門領域ごとに学会が分かれ、基礎研究から応用研究まで活発に活動しています。しかし、高等教育機関の応用研究と企業の開発・設計・製造の間にはまだまだギャップがあります。本会の目指す領域は、そのギャップを埋める領域です。
一般的に学術論文で重視される評価基準は、新規性、有用性、再現性、信頼性です。これらはどの学術論文にも当てはまる普遍的な判断基準です。本会は、その中でも特に有用性を重視した研究成果の発表・普及の場です。査読の際の重要な観点として、当然のことながら新規性は必要ですが、それが産業界や一般生活でどのように役立つのかという『有用性』と今後の『発展性』を高く評価します。また、特許を出す時期によって研究活動が止まることのないよう公表の時期も投稿者と協議します。また、企業、大学、高専、海外研究者、個人研究者の誰もが、本会に参加できるように、個人会員の会費は無料とし、学会参加費や論文掲載料も運営に支障をきたさない範囲で低価格に抑えています。
多数の人が本会に参加し、産業界の発展に寄与することを期待します。
事業活動
・研究発表会、学術講演会、国際会議、講習会の開催
・論文誌の発行
・研究の奨励、表彰
・調査研究の受諾、技術指導